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ひな鳥の生存率は1/2
生き残りをかけたひなの闘い

 

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日本のイヌワシは、通常2つの卵を産みます。卵は同時にふ化するわけではなく、数日のずれが生じます。すると、先にふ化したヒナは、あとからふ化したヒナをつついて攻撃し、殺してしまうという行動をとります。そして親はこの行為を止めることなく、ただ見守ります。これは、「きょうだい殺し」と呼ばれる、日本のイヌワシに顕著に見られる行為。日本以外の地域でも行われる行動ですが、日本のイヌワシはその確率が99%ときわめて高いことが特徴です。生態系の頂点に君臨するとはいえ、実は餌は限られており、そのため1羽が確実に生き残れるように、このような習性になったと考えられています。日本国内で2羽が巣立った事例も、少数ですが報告されています。健全な森林を守ることの大切さを痛感させられる、森の王者の悲しい性ともいえるのではないでしょうか。

2016年12月26日更新